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実におもろい本だった。


移動や外食の際に、ちょこちょこ読むだけだったので


全く進まなかったけど、田中角榮の魅力は十分伝わった。


著者が田中角榮の秘書だったので


スタンスの違いはあると思うが、


当時の国民に与えた角榮の印象なり


後世に残した影響は伝わった。








田中角榮という人は、人間、とりわけ日本人について

よく理解していたようだ。




あるひとつの事象に、日本人がどう反応するか?


これを熟知していた。


本能と理屈で。





歴史に『たられば』は無いけれど


コロナ禍の日本において


田中角榮が首相であったなら


どんな対応をしていたのか。


そんなことを考える。





昭和と令和で状況は全く違うけど、


田中角榮なら、なにか日本人に、人間に寄り添った


今と違う対応をしていたんじゃないかなと思う。





人間とはなにか。


僕が思うに、人間とは怠惰で利己的な生き物だ。


っていうか、生物全般そうだけど、


人間は理性で多少それらを抑制しているに過ぎない。








コロナ対応でいえば、


人間はいつまでも自粛できないし、


マスクも外したがる。


そういった意味で欧米人は実に人間らしい。


彼らは既にマスクを外し、会食を楽しんでいる。


満席のスタジアムで、ビール片手にベースボールを楽しんでいる。




日本人はどうか。


マスクを外さず、会食を避けなければ、


という思考で動いているのではないか。






それって人間らしさを失っているなぁと


僕なんかは思うわけです。





農耕民族と狩猟民族の違いがあるのかもしれない。


ムラ社会では和を乱す行動を取れば


自分の畑に水を引くのも難しくなるだろう。




しかし、である。


そんな我慢強い日本人にもいつか限界が来る。


人目を気にしながらマスクを外す日が来る。





もし、現代に田中角榮が生きていたら。


そんな日に向けて角榮は国民に対し、


カメラの前で何を言うのか。


人間らしい生き方を取り戻しやすい一言を、


なにか日本人と人間らしさに寄り添った一言を


日本人が納得する一言を放つのではないかな。


なんて思った一冊でした。






最後に田中角榮が大蔵大臣に就任したとき、


大蔵省の官僚たちを前に演説した言葉を。









「私が田中角栄であります。


皆さんもご存じの通り、高等小学校卒業であります。

皆さんは全国から集まった天下の秀才で、

金融、財政の専門家ばかりだ。


かく申す小生は素人ではありますが、

トゲの多い門松をたくさんくぐってきており、

いささか仕事のコツは知っているつもりであります。



これから一緒に国家のために仕事をしていくことになりますが、

お互いが信頼し合うことが大切だと思います。

従って、今日ただ今から、大臣室の扉はいつでも開けておく。


我と思わん者は、今年入省した若手諸君も遠慮なく大臣室に来てください。

そして、何でも言ってほしい。

上司の許可を取る必要はありません。

できることはやる。できないことはやらない。

しかし、すべての責任はこの田中角栄が背負う。

思いきって仕事をしてほしい。以上。」



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