
スケボーに乗り始めて2ヶ月たった。
転ぶ頻度は減ってきた。
転ぶと痛い。
だがそれよりも、恥ずかしい。
人の目が。
大人は道で転ばない生き物だからだ。
いい大人が路上でゴロゴロ転がり、
痛みでうずくまり
恥ずかしさで顔を上げられない。
スケボーとは過酷な遊びなのだ。

このあいだ、またしても恥ずかしいことがあった。
朝の通勤でスイスイと滑っていたところ
バランスを崩して着地。
転ばずに済んだが、ボードだけが走っていってしまった。
スケボーというのは、実に良く滑る。
ベアリングの性能がとても良いのだ。
オフィスで使うようなキャスター付きの椅子なんて
めじゃない。
オフィスが少年野球なら
スケボーはメジャー大谷。
つまり別物。
とにかく良く滑るように出来ているのだ、スケボーは。
中国語では『滑板』と書くらしい。
で、朝。
バランスを崩してボードだけが滑って行ってしまったので
走って追いかけたわけです。
しかしよく滑るわけで、簡単には止まらない。
追走する構図になり、住宅街を走ってました。
スケボーを始めて気づいたんだけど
スケボーは子供の目を惹き付ける。
小学生はもちろん、もっと小さい子も
好奇と興奮の目で見てくる。
なんとなく、自分がかっこよく感じる瞬間だ。
で、朝滑ってボードだけ走らせてしまい
追いかけているところ、
幼稚園登園中の5歳児ぐらいとすれ違った。
5歳児(男の子)は案の定、スケボーを凝視していた。
はっはっは。
これが朝からスケボーを追いかける大人だよ。
珍しいかい?
視界の隅に、男の子が口を開けて見ている姿が入る。
何か言っている。
ママに何か言っている。
オレとスケボーを交互に見て、何か言っているぞ。
スケボーかっこいいとか、僕も欲しいとか
そういうことを言っているのか?
耳を傾けてみた。
「ラジコン、速いね」
ちげーよ!
オレはラジコンを走らせているわけじゃない。
むしろ走らされているんだ。
いや、そもそもラジコンじゃない。
なかなか止まってくれないスケボーを追いかけ
ラジコンで遊んでいると5歳児に勘違いされた
そんな朝でした。