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散髪中に相談を受けることがある。



人生とか仕事とか、そういうこと。


熱心に聴くフリをしながら内心は


(相談相手の人選、ミスってますよ)


なんておもっている。








周知の通り、僕は施術中ほとんど喋らない。


理由はいくつかあるが


主だったものを挙げれば


会話が苦手


手先の仕事に集中したい


Bgmを聴きたい




このあたりか。



ただ、お客さんの方は違うようで。







口の重い店主と二人きりで髪を切られていると


空気に耐えられないのか、喋りたくなる人もいるようだ。








たまにあるのが、


「話しても良いですか?」


という提案。




仕事のイライラとか、家庭のモヤモヤとかを


急に話し出す人が多い。


こちらとしては、話しても良いかと訊かれれば


なにも問題ない。


僕は聴いてるだけで良いし、


自由に話せば良いと思う。




面白いなと思うのは、


話の内容はもちろん


なぜそんなことを俺に話す気になったのか


という相手の心模様。




この無愛想な店主に話したところで


有益な解決策など出ようはずがないけど


人によっては色々話してくれる。



王さまの耳はロバの耳的な


こちらを地面に掘った穴の1つと考えているのかもしれない。


それはそれで、何も問題ない。


ちなみに口は固い。


僕は商店街で『歩くハマグリ』と呼ばれている(嘘)。










マンツーマンという閉鎖的な空間で


互いの年頃と性別が似かよっていると


人は身の上話を喋りたくなるのかもしれない。





最近あった話では


「職場の人間関係がしんどいけど、


辞めていいのかわからない。家族がいるし」


というものがあった。


上司に嫌われていて出社がしんどいが


家を購入したのと、子供が小さいのとで


精神的にも肉体的にも、身動きがとれないという。


仕事を辞めることで、

『レールから外れてしまう不安感』

みたいなものも感じるらしい。


体調は変化がないが、不眠の症状が出ている。






ふむふむ。


なるほど。




たいていふんふんと訊いているだけなんだけど、


たまに答えたくなる。



こちらの意見を言うときの基本方針は1つだけあって


「楽しいのは、どっちなの?」


ということ。





人類が得た最大の幸福は、言葉を使ったコミュニケーション。


最大の不幸は長生き。


唯一平等に与えられたのは時間。



という僕の基礎概念から見ると


大抵の問題は


明日死ぬかもしれないんだから、楽しい方を選べば良いじゃん


ということになる。






というわけで、話が答えの欲しい『相談』だった場合


僕の答えは


「自分が楽しいと思う方を、ストレスを感じない方方を

選んだら良いんじゃないすかね」


となる。






我ながら気持ちのこもらない適当な受け答えだと思う。


でもそれで良い。


親身になって、相手の悩みを自分の悩みと錯覚するよかよほど良い。


適当な受け答えで悪いなぁと2%ぐらい感じる。


でもこれからも、たぶんそう。




適当に答える方が、楽しいからだ。



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