むかし助けてもらった人が体調を崩したと聞いて
千葉は茂原まで行ってきた。
体調といっても崩したのは心の調子の方で
心療内科に通院しているという。
僕が治せるわけではないけど、
話相手になってみようというわけだ。
人間の悩みってやつは不思議なもので
口から外に吐き出すことで
99%解決する。(ばりとこ調べ)
ここでひとつ大事なことは
独り言では効果ナシ、ってこと。
聞いてくれる相手が必要。
店の最後の客を帰して電車に飛び乗る。
翌朝一番の客に間に合うように戻るには
なかなかの強行軍だ。
借りを返すのは即座にではなく、一拍おけ。
みたいなことを池波正太郎が『男の作法』のなかで
書いていた。気がする。
早すぎる礼は無粋ということらしい。
一拍どころではない時間が経ったけど、なにかの助けになれば
ということで行ってきた。
距離や時間や睡眠というのは二の次だ。
で、茂原まで行ってなにをしたかというと
朝まで飲みながら楽しくお喋り。
本題に関しては、話したか話してないか
記憶にない。
気にかけている人間がいますよ、
ということを感じてもらえればそれで良い。
借りを返せたのかわからんが、男の作法としては
池波正太郎も納得してくれるだろう。