夏、鶴岡八幡宮へ行っておみくじをひいた。



吉。



待ち人やら探し物、縁談・健康・商売…。


特にこれといったことは書いてなかったが、


鋭いかも、と思うことがひとつあった。






訴訟。



裁判なんかしちゃいないんだけど、


訴訟の項目は、こうあった。






『対話の道を求めよ』。






鋭いかも。






僕は対話を投げ出しがちだからだ。


(こいつバカだわ)


と判断すると、シャッターを早めに下ろしてしまう。


わかりあえない。


話す必要あるんかと思ってしまう。












夏の終わりに東京へ台風がやってきた。


その日は朝から雨風強く、猛暑日が続く東京に


久しぶりに雨が降った。





散髪の予約がいくつか入っていたけど、


そのうちの一件、高齢男性から電話がかかってきた。







「雨が強いので今日はキャンセルしたい」





かまわん。



ふざけんなと思うが、かまわん。






ただ、伝えることは伝えた。





「当日キャンセルになるので、次回来店時に


キャンセル料金の支払いをお願いします。」




規定にのっとった対応だ。



ただ、男は激昂した。






「こんな雨の日に来いと言うのかッ」





……またバカが現れた。



そして、久しぶりに大人に怒られた。




来いとは言っていない。


出掛けられないと判断したならキャンセルすれば良い。


ただ、当日のキャンセルなのでキャンセル料金が発生するのだ。








人類は古来より天変地異に翻弄されてきた。


ただ、テクノロジーの進化によってそれを回避する術を学んできてもいる。



台風というのは、ある日突然東京の上空で発生するわけではない。



何日も前から、いつどこを台風が通過しますよ


ということは繰り返し報道されてきての今日なのだ。


自分の予定と台風の進路予想を見比べて、判断すれば良い。


その時間的余裕はあったはずだ。


ばりとこは前日までのキャンセルなら、キャンセル料金はもらわない。











朝起きてカーテンを開け、


雨風が強いと感じて散髪の予約をキャンセルする。


当日キャンセルは、料金が発生すると聞いて激昂する。







ホームラン級のバカと受話器で繋がっていると感じた。




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感情先行で受話器を握るこのバカに


こちらの論理を説いたところで理解できまい。


そう思うとシャッターに手が伸びる。





鶴岡八幡宮のありがたい(?)おみくじにあった助言をないがしろにしてしまったが



自分になにが出来たのか。



対話の道があったのか。



立ち止まって考える。








何も出来ないのだ。



養老孟司のいうとおり、そこには『バカの壁』というものが


そびえ立っている。


理解しあえない。




僕に優しさ、というか甘さがあればいいのだろう。



ただ、バカに甘くして、こちらが負担を背負う必要があるのだろうか。



それが接客業だろうか。


忍耐は美徳だろうか。






そんな風に考えると


いくら鶴岡八幡宮のありがたい(?)おみくじの助言も


自分が聞き入れたいと思ったことだけ


取り入れたら良いんだなと思うのでした。











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